Emaxis Slimの商品は、「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続けるファンド」と謳っており、長期投資において重要な信託報酬を低く抑えてくれているファンドです。2021年1月11日現在、13種類の商品があります。これら商品が、2020年の1年間でどれくらい騰落したのか比較してみました。
13商品の基準価格推移(グラフ)
下記、全13商品の基準価格の推移となります。グラフを1つにすると見にくくなるため、株式型の商品とそれ以外とで分けてグラフ化しました。
(グラフ内のラベルをクリック(タップ)しますと、特定グラフの表示と非表示を切り替えることができます。)
株式
株式を扱う商品としては、8種類あります。2020年は、コロナショックが起こり、3月に暴落がありました。株式を扱う商品は全て、この暴落の影響を受け30%以上価格が下落しました。暴落時は、どこまで下がるのか、価格は戻っていくのか等、とても心配になったことと思います。
ただ、最終的には各国の金融政策の影響により、価格は戻り、1年間ではどの商品もプラスとなりました。とりわけ、日経平均連動の商品が一番パフォーマンスが良いという結果となっており、TOPIX連動より大きなパフォーマンスを出していることから、日本株全体が買われたというよりは、日経225銘柄中の特定銘柄が多く買われたのではないでしょうか。
債券・リート・バランス
債券・リート(不動産投資信託)・バランス型の商品として、5種類あります。バランス型の8資産均等型は、①国内株式②先進国株式③新興国株式④国内債券⑤先進国債券⑥新興国債券⑦国内リート⑧先進国リートの8つの資産を12.5%ずつ均等に所有するファンドです。そのため、値動きが株式より小さくなる分、暴落時のリスク対応ができる商品となっています。ただ、2020年の3月の暴落時には、20%以上下落しました。これは、株式以上にリートの暴落があったためで、唯一、価格変化の小さかった商品が債券のみとなったためです。
リートは1年の価格推移でもマイナスとなってしまいました。1年経っても価格が戻っておらず、その影響もあり、8資産均等型ではわずかなプラスで終わりました。
暴落局面で強かったのはやはり債券で、2020年1月6日の価格を100として、年間での最安値は98.7%と、国内債券、先進国債券ともに安定していました。とりわけ先進国債券は1年間で価格が6%上昇しており、為替リスクはありますが、安定な商品としてポートフォリオに組み込む価値があるのでは無いでしょうか。
株式比率が大きい状態で暴落が起きると、精神的にきつくなるかもしれません。それが原因で狼狽売りをしてしまっては元も子もありません。
心穏やかな長期積み立てが難しく感じる場合は、債券比率を上げ、価格の急激な変化に一喜一憂しないようにポートフォリオを組むことをお薦めします。
騰落率と最高値と最安値(表)
下記、13商品の1年間での騰落率と、最高値、最安値を表にしました。
1年間での価格の変化(2020年)
騰落率(%)
最高値(%)
最安値(%)
株式
国内株式(日経平均)
120.4
121
71.4
株式
米国株式(S&P500)
111.9
112.5
71
株式
先進国株式
110.6
111
69.3
株式
全世界株式(除く日本)
110.6
110.7
69.4
株式
全世界株式(オール・カントリー)
110.5
110.7
70
株式
3地域均等型
110.1
110.2
72.7
株式
新興国株式
110
110.1
69.3
株式
国内株式(TOPIX)
108.8
109.7
72.9
債券
先進国債券
106
106.5
98.7
バランス
8資産均等型
101.9
103.4
76.4
債券
国内債券
99
101.3
98.7
リート
先進国リート
87.7
109
61
リート
国内リート
85.9
104.9
53.6
1年間での最終的な騰落率は株式で高いパフォーマンスを出しています。ただし、最安値では70%程度まで落ちていますので、変動の激しい相場となりました。リートに関しては、株式よりも暴落し、価格も1年で戻っておらず、厳しい状態が続いています。そんな中、先進国債券は、変動の幅は狭く、それでいて6%も価格が上昇しました。
まとめ
いかがだったでしょうか。2020年はコロナショックの影響のため、相場の乱高下が激しくなりました。長期投資を目的とする場合、心穏やかな投資ができるかどうかが大事だと思います。2020年は暴落を体験することで、自分の感情と向き合うことが出来たのではないでしょうか。それをもとに、ポートフォリオを練り直し、これからも長く相場に残れるように頑張っていきましょう。