【投資信託とは】という内容から、株式との違いに関してご紹介させて頂きます。
投資信託とは?
- 少額からでも投資可能
- 運用は専門家にお任せ
- リスク分散できる
投資信託はファンドとも呼ばれ、複数の投資家から集めたお金を使って運用の専門家が国内外の株式や債券などに分散投資し、その運用から生じた利益を投資家に分配する金融商品です。複数の投資家から資金を集めるため、個人としては少額からでも投資が可能となっています。
さらに、投資対象として株式を選んでいる投資信託を例に挙げると、投資信託では複数の株式に投資しているため、個人で個別に株式を購入するより多くの分散投資が容易となっています。S&P500指数連動の投資信託であれば、この投資信託を購入するだけで、500社に分散投資ができています。
投資信託と株式の比較
商品数
投資信託 | 株式 | |
銘柄数(商品数) | 6,000程度 | 3,500程度 |
投資信託は株式の総数より多くの商品が存在します。証券会社や銀行が、似たような商品を出していることもあり、商品数が膨大にあります。
例えば、SBI証券で、S&P500と検索すると、6つの商品がヒットします。同じS&P500という指数に連動した商品であっても、中身が少しづつ異なったり、手数料が異なることがあります。
購入資金
投資信託 | 株式 | |
購入資金 | 小額から | 数万円程度から |
株式では、単元株での購入が基本となり、多くの銘柄で100株を採用しています。この100株単位で購入するとなると、数万円で購入できる株もあれば、任天堂のように数百万円かかるものもあります。ただし、SBIネオモバイル証券等を利用すれば、単元未満株の購入ができます。売買の制約があり単元株のような取引きはできませんが、少額で株式に投資することもできます。
- 単元株とは… 通常の株式取引で売買される売買単位のこと
- 単元未満株とは… 銘柄ごとに決められている最低売買単位である1単元の株数に満たない株式のこと
投資信託では、100円から購入できるため、積立て投資に向いています。ドルコスト平均法を活用し、毎日少額投資といった手法を取ることができます。
ドルコスト平均法は、時間の分散効果があります。基準価格の高い時は少ない口数を購入し、安い時に多くの口数を購入することで、一括投資より積立投資のほうが同じ金額で多くの口数の購入が見込めます。
- 口数とは…投資信託の取引単位。一般に投資信託の基準価格は、1万口当たりの価格となっています。
売買タイミング
投資信託 | 株式 | |
売買タイミング | 専門家に一任 | 市場が開いている間、自由に |
株式では、市場の取引時間帯であれば、自由に売り買いが可能です。
投資信託では、まず預けた資金は、専門家に一任して運用してもらうため、投資対象の売買のタイミングも専門家にお任せとなります。ですので、投資家は、投資信託の目的や特色をしっかり確認し、どういった方針の商品かしっかり確認しなければなりません。そのためにも、目論見書にしっかり目を通すことをお薦めします。
目論見書とは… 有価証券の募集または売出しのために投資家に提供する文書のこと
値動き
投資信託 | 株式 | |
ボラティリティー (値動き) |
株式より小さい | 大きい |
投資信託では、分散投資が基本となっていますので、個別の株式よりは値動きは小さくなります。ただし、【SBI-SBI日本株4.3ブル】といったような、日本株の値動きの4.3倍の変動をするような投資信託も存在ます。こういった、リスクの高い商品の購入をお考えの場合は、しっかり検討してから購入するようにしましょう。
手数料
投資信託 | 株式 | |
手数料(購入時) | 買付手数料 | 売買委託手数料 |
手数料 (売却・解約時) |
信託財産留保額 解約手数料 |
売買委託手数料 |
信託報酬 | あり | なし |
株式の売買には、手数料がかかります。信用取引の場合は、さらに別途手数料が発生しますが、現物取引の場合は、維持手数料等はなく売買時にかかる手数料のみとなっています。
投資信託では、さまざまな手数料があり、少なくとも上表4つの手数料は確認しましょう。実際には、上表4つ以外に、【売買委託手数料】【有価証券取引税】【その他費用】があり、これら3つと【信託報酬】の合わせて4つのコストは、運用報告書を確認することで、実際の費用が分かります。投資信託には、手数料が安いものから高いものまであり、一般的に年利数%を狙った運用をすることになりますので、手数料には敏感になることをお薦めします。
S&P500のような指数に連動する投資信託は、インデックスファンドと呼ばれ、手数料が安いのが特徴です。【買付手数料】【信託財産留保額】【解約手数料】、これら3つの手数料は無しで、信託報酬が0.1%程度と手数料の安い魅力的な商品も存在します。
- 買付手数料とは… 買付の際、販売会社に支払う手数料。
- 信託財産留保額とは… 解約時に基準価格から差し引かれる、または購入時に基準価格に加算されるもの。
- 解約手数料とは… 解約の際、販売会社に支払う手数料。
- 信託報酬とは… 保有期間中にかかる管理費用。
まとめ
投資信託の魅力は、なんといっても分散投資だと思います。
時間の分散として、ドルコスト平均法で、少額から積立投資が可能です。地域の分散として、日本以外にアメリカや、さらに先進国や新興国といった、多くの地域に投資が可能です。資産の分散として、株式、債券、REITなどの分散投資も可能です。
例えば、【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】という投資信託では、組み入れ銘柄数として2,989銘柄となっています(2020年6月30日の月間レポートより)。1つの投資信託を購入するだけで、2,989もの株式に分散ができます。個別に購入するとなるととても大変ですが、投資信託を利用すれば、手軽に少額から投資ができます。
分散投資する上で、投資信託を選択することは、利便性がとても高く、また、少額から投資できますので、投資初心者の方にも、手が出しやすいのではないでしょうか。
チェック
では、投資信託にはどのようなリスクがあるのでしょうか。5つのリスクに関して下記の記事をご参考下さい。
投資で損をしないための原則として、【長期】【積立】【分散】が挙げられます。投資信託にも当てはまり、リスクへの対処のために、こういった原則があります。 まず、リスクとリターンの関係を示した後、どういったリスクがあるのか、5点あげ[…]