外貨預金を行うと、銀行に日本円を預けているのと同じように、利息を得ることができます。また、外貨から円に戻した時、為替差益を得る可能性があります。では、外貨預金を行った場合の収益に対して、税金はどのようにかかるのかご紹介したいと思います。
外貨預金に興味のある方であれば、外国株式や外国債券にもご興味があると思います。この場合、【新たな経済的価値を持った資産】に変換されるたびに、為替差益が生じます。この点に関しては、今回とは別に、まとめたいと思います。
銀行の利息(日本円)
まず、初めに、日本の銀行に日本円を預けていた場合の利息に関して、税金がどのように引かれているのかご説明します。
お金を預けていて得られる利息は、収入とみなされ課税されます。
税率は所得税(15%)と住民税(5%)に、復興特別所得税(0.315%)を合わせた20.315%です。
・復興特別所得税とは…
復興特別税の1つであり、東日本大震災からの復興施策に必要な財源を確保するために課されることとなった日本の税金。復興特別法人税、及び復興特別所得税からなります。所得税、住民税、法人税に上乗せするという形で徴収されます。
期間 | 内容 | |
所得税 | 2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間 | 基準所得税額に2.1%を上乗せ |
住民税 | 2014年から2023年までの10年間 | 年間1,000円引き上げ |
法人税 | 2012年4月1日から2014年3月31日の2年間 | すでに終了済 |
復興特別所得税の税率(%) = 所得税率(%) × 0.021
ゆえに、上記期間中において、銀行預金に課される復興特別所得税は0.315%(所得税15%×0.021=0.315%)となっています。
・自分で納税する必要のない源泉分離課税
源泉分離課税は、源泉徴収によって課税関係を完結させ、確定申告を必要としない制度のことです。銀行が代わりに、納めてくれるため、特に何もする必要はありません。手元に、利息が入った段階ですでに納税済みとなっています。
利息に対して、銀行が納税してくれていることは、ご存じだったかと思います。では、外貨に対してはどうなのか、ご説明いたします。
外貨預金の利息と為替差益
外貨預金には、利息以外に為替差損益が発生します。
条件 | 所得区分 | 税率 | 確定申告 | |
利息 | 国内金融機関 | 利子所得(源泉徴収) | 所得税15% 復興特別所得税0.315% 住民税5% |
不要 |
国外金融機関 | 利子所得(総合課税) | 所得税5~45% 復興特別所得税(所得税率×2.1%) 住民税5% |
必要 | |
為替差益 | 予約レート設定有り | 雑所得(源泉徴収) | 所得税15% 復興特別所得税0.315% 住民税5% |
不要 |
予約レート設定無し | 雑所得(総合課税) | 所得税5~45% 復興特別所得税(所得税率×2.1%) 住民税5% |
必要(場合によっては不要) | |
為替差損 | 他の雑所得と相殺可能 |
・利息
国内の金融機関を利用して外貨を預金した場合、利息は源泉徴収されますので、日本円を銀行に預けているときと同様に、自動的に納税されます。
・為替差益
予約レート無で為替差益が生じた場合は、確定申告が必要です。しかし、場合のよっては確定申告が不要です。
まとめ
外貨預金をする際、国内の金融機関を利用されている方が多いと思います。ですので、利息に関しては、源泉徴収されてますので、問題ありません。
しかし、為替差益に関しては、予約レート無しで外貨を持たれている方も多いと思います。この場合、雑所得扱いとなりますので、雑所得合計が20万円を超えるようなことがあれば、確定申告が必要となります。
外貨預金をされる方もそうですが、外国株式や外国債券を購入するために外貨預金を持たれる方も、為替差益の税金に注意しましょう。
ちなみに、FXの為替差益は20.315%の税率が適用され、株式と同じ扱いです。税制は複雑で難しいですね…。